佐藤班(食品企業組織論研究室)の初めてのフィールドリサーチに向けて、教員は調査先をどこに設定するか悩んでいました。そこで、前年度の食品ビジネス特別講義でご担当いただいた「株式会社ねぎしフードサービス」(以下、ねぎしと表記)のことが思い出されました。
ねぎしは、東京・横浜で37店舗を展開する「牛たん・とろろ・麦めし ねぎし」を経営しています。同社は、顧客本位、社員重視、独自能力、社会との調和といった四つの普遍的価値を実現する「組織マネジメント」を遂行し、食品企業の理想である「顔の見えるフードシステム」を構築しています。日本経営品質賞、農林水産大臣賞等の受賞歴は、同社の顧客満足を追求する組織マネジメント能力や高い企業成長力が評価されていることの証左です。
このたび、同社をはじめ学内外の方々のご理解とご協力を得て、以下のとおり、三泊四日でフィールドリサーチを行いました。佐藤班のテーマは、「食品企業の組織マネジメントと顔の見えるフードシステム構築」です。
◯1日目
ねぎしの店舗で提供されるおいしい「とろろ」の原料は、すべて千葉県多古町産の大和芋です。われわれは、成田国際空港からほど近い多古町を訪れました。この日は多古町役場にて、町・農協によるフードシステム講義を受講しました。青柳徹副町長、林勝美農業振興係長(多古町役場)、飯田正一代表理事組合長(多古町農業協同組合、以下JA多古町と表記)、内藤昌弘営農経済部園芸課長(同)より、農業経営や地域振興、ねぎしとの取引関係のことを中心にお話しいただきました。
学生の質問にもお答えいただき、多古町が日本一を誇る大和芋産地であること、ねぎしとの契約生産が顔の見えるフードシステムを構築していることなどが明らかとなりました。
講義の後、多古米の荷受・乾燥・籾摺・選別・出荷を担うライスセンターを、JA多古町で勤務する本学部卒業生から説明を受けながら視察しました。
これから多古町でお世話になる農家の方々と、初めての顔合わせを行いました。